近年の電子機器は小型化が進んでます。だからというわけではないですが私も基板作るときはなるべく小さく作ってます。
小さい回路を作るには、小さい部品をプリント基板で実装するのが一番確実で簡単です。しかし、企業の試作チームならともかく、個人が趣味で作るにはかなりのコストが掛かり手が出しづらいです。
そこでよく使われるのがユニバーサル基板です。
いろんな場所で販売されてますね。手軽に回路を実装したいときによく使用します。
んで、このページではユニバーサル基板で小さく回路を組むコツを紹介します。
回路小型化のススメ
私がやってきた手法を一通り紹介します。下の項目になるほど難易度や条件が厳しくなりますが、上のほうの項目は汎用性があり簡単に実施できる方法になります。
部品を密集させる
基本中の基本です。基本的に部品を密集させてムダなスペースを潰すことで基板外形を小さくすることが出来ます。もちろん部品が密集すると可視性やメンテナンス性は悪くなります。
また、何でもかんでも部品を詰めればいいというわけではありません。
- 電流による線の太さ
- 電圧によるピッチ間距離
- コンデンサの位置やアナログ回路でのノイズ処理
- 部品発熱による発熱対策
ここら辺は別のお話になってしまうので割愛しますが、小さくすることにこだわりすぎて性能が劣化してしまわないように注意しましょう。
背の高い部品は寝かせる
基板のサイズは縦横の寸法だけでなく、高さも考慮する場合もあるかと思います。上の写真をみれば分かる通りレギュレータや電解コンデンサの足を折り曲げて部品を横に置くことによって基板の高さを抑えてます。
部品を立てて基板上のスペースを空ける
上の項目とは逆に、あえて部品を立てることで基板の空きスペースをつくり、部品を詰める方法もあります。
この例ではカーボン抵抗を縦に立てています。こうすることで真ん中にスペースを確保できたので簡単にスイッチ等の部品の追加が可能になります。
この手法は部品を立てても邪魔にならないような場合には特に有効です。
ICソケット内に部品を詰め込む
ICソケットの内部は意外と空きスペースがあります。写真では立てたダイオードをいれてます。よくパスコンをICソケット内に詰め込むことが多いです。
こっちはさらに強引な例です。TWELITEのピンソケット内部の、ATmega328の28Pソケットの内部に、状態確認LEDと電流制限抵抗とジャンパー線をねじ込みましたw
基板の両面を活用する
部品をはんだづけする際、部品面には部品を載せて、はんだ面ははんだやジャンパー線のみ、ということが多いかと思います。この写真では部品面にマイコンがあるため、セラロックをはんだ面に強引に載せてますw
ほかにも抵抗やセラコンなど小さな部品は割といけます。
ジャンパー線を使う
部品を詰めてくと、どうしても経路を確保できない場合があります。その場合は仕方ないので最小限のジャンパー線を使用しましょう。
部品点数を減らす・小型の部品を使用する
理想は初めから小さい部品で構成し余分なものは回路に入れないことですが、実際に動かしてから気づくことがあったり、テストポイントを用意したり、途中で設計変更があったり・・・このあたりは仕方がない場合も多いです。
また、最近は回路小型化の影響でチップ部品が安く入手できます。抵抗やコンデンサなどはチップ品を使用すると基板を小さくできます。写真は1608サイズのコンデンサです。2.54ピッチのユニバーサル基板なら1005サイズの部品までなら実装に苦労しないかと思います。
部品を縦に重ねる
写真はL字に折り曲げたFETの上にさらにFETを載せてます。狭いスペースに4つのFETを強引に納め、かつ高さも低くしました。
ちなみにこの基板はフルブリッジモータドライバです。
小さくするなら市販品を流用するべし
ちょっと話がずれますが小型化のための豆知識です。
回路を自作する目的が”必要な機能を安くor小さく手に入れる”のであるなら自作にこだわらず市販品を使用したほうがいい場合もあります。
例えばmp3プレイヤーが欲しい場合、自作ではSDカードホルダー、各種IC、ボタン、基板・・・自力で集めると約500円掛かります。
しかし、市販品を流用する場合は100円程度で済みます。
ケースを分解して必要な線を取り出すだけでmp3プレイヤーが入手出来てしまいます。自作そのものが目的でないならこういった方法も視野に入れておくといいでしょう。
まとめ
自分が回路を作るうえでやってきたことをまとめました。とりあえず意識することは
- 部品を敷き詰める
- 部品を寄せる
- 部品をねじ込む
正直やってることはこれだけです。これでも気に入らなければプリント基板で専用基板を発注なりエッチングなりしましょう。
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