分かりやすく解説!バッテリーのセル構造とバランスコネクタについて

電子工作

リポバッテリーほか、特定のバッテリーはセル構造になっていることがあります。

この”セル”とは何なのか、また、どのように扱うべきか解説していきます。

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セルの表記について

バッテリーでセルの表記には”S”を使うことがあります。”2セル”のバッテリーを”2S”、”3セル”では”3S”となっていることがありますので覚えておきましょう。

以下より画像付きで解説していきます。

バッテリーのセルについて

バッテリーのセルというのは簡単にいってしまえば、1つのバッテリー内にある直列でつながれている電源の数です。バッテリーの電圧はこのセルの数=電源の数で決まります。

この図は3Sリポバッテリーを例にしたものです。感覚的には上の画像のような感じです。これを基準に以降の説明をしていきます。

バランスコネクタについて

セル構造になっているバッテリーには、このような端子がついていることがあります。これをバランスコネクタもしくはバランス端子などといいます。

セルごとの電圧差は0Vであることが理想です。理由は次項で説明します。

電圧差とはすべてのセルの電圧の最大値から最小値を引いた差分をいいます。電圧差については以下の例を参考にしてください。

2Sバッテリーの例

  1. 2つのセル電圧が【3.5V】【3.6V】
  2. 計算:3.6V-3.5V=0.1V
  3. 電圧差は0.1V

3Sバッテリーの例

  1. 3つのセル電圧が【3.8V】【4.0V】【3.9V】
  2. 計算:4.0V-3.8V=0.2V
  3.  電圧差は0.2V

4Sバッテリーの例

  1. 4つのセル電圧が【3.7V】【3.7V】【3.7V】【3.7V】
  2. 計算:3.7V-3.7V=0.0V
  3. 電圧差は0.0V

このセルごとの電圧差を少なくするためにバランスコネクタが必要となります。バランスコネクタはセルに対して並列につながれているものです。

バランスコネクタを使用するのは主に充電時です。充電完了間近にバランス端子によって電圧を監視し、セルごとに個別に充放電して全体の電圧バランスを揃えています。

なぜバランスをそろえる必要があるのか

「バランスが○○V以上崩れたバッテリーは危険なので捨てましょう」という方もいますが、正直もったいないです。というのも、セルの電圧差が大きくなっただけで問題なく使用できるからです。

やや危険な状態、性能が劣化している状態なことに変わりないので、そのあたりは理解しておく必要があります。

以下の図は極端な例ですがこれで説明していきます。

過充電で発火の恐れ

電源コネクタから充電をするとき、すべてのセルを同時に充電します。上の図ではこのまま充電すると上限の12.6Vになる前に、右のセルが4.2Vを超え過充電でバッテリーが膨らみ発火します。しかし、この場合はバランスコネクタを使用することで発火を防ぐことが出来ます。

過放電でバッテリーを痛める恐れ

バッテリーを使用するとき、すべてのセルを同時に放電します。上の図ではこのまま充電すると定格の9.0Vになる前に、左のセルが3.0Vを下回って過放電となり、バッテリーを痛め使用不可となります。そのため、使用前の電圧チェックはなるべくセルごとの確認もしましょう。

出力が安定しない

上の図はセルの電圧の変化です。着目するべきはこのように電圧降下は一定ではないことです。バッテリーはすべてのセルを同時に放電し、電圧はセルの合計電圧で決まります。

つまり何が言いたいかというと、バランスの崩れたバッテリーはこのように出力が安定しないのです。

とはいうものの、バッテリー電圧が変動するのはごくわずかです。ラジコン上級者のように0.001Vの差でも動きが影響する!ような鋭い感性を持っている場合でもない限り、そこまで気にする必要はないです。

まとめ

一通り説明していきましたが、とりあえずバランス端子で充電しておけば安心です。2S以上のバッテリーを選ぶ際は極力バランスコネクタ付きを選びましょう。

そして、常にバランス間の電圧は意識しましょう。


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リポバッテリーについてまとめ
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