リチウムイオンポリマー電池と聞いてピンとくる人は多いかと思います。身近にあるものではスマートフォンのバッテリーに使用されています。
また、ラジコンを扱う人、サバゲーで電動ガンを使用する人、自作ロボットで競技会等に参加する人などは、リチウムイオンポリマー電池のことを「リポ」「Li-po」「リポバッテリー」「ポリマー」などの略称を使用し、下のようなバッテリーの選定をしていることでしょう。
私は普段は「リポ」派ですが、分かりやすさのためこのサイトでは以降「リポバッテリー」と表示します。
そんなあらゆる場面で利用されることの多いリポの基礎的な部分、メリットデメリットなどを紹介していきます。
リポバッテリーの使い方だけ知りたい方はこちら
リポバッテリーの構造
そもそも一般的な2次電池の構造はご存知でしょうか?
電池は正極(+)と負極(-)でイオン化反応によって電圧が発生する。負荷をつなぐ(放電させる)とイオンは負極から正極へ、電圧を加える(充電する)とイオンは正極から負極へそれぞれ移動する。この動きによって電流が流れる。
厳密にはちょっとずれてますが基本構造はこうです。そして、リポバッテリーも構造自体は同じようなものです。
リチウムイオン(Li-ion)電池と似ていますが、大きく異なるのは電解質に「ポリマー」を使用していることです。科学反応式とかは分からないのでこれ以降はパスします・・・
リポバッテリーの電圧について
リポバッテリーは単体で約3.7Vを発生します。2つ、3つ直列につなぐ事で7.4V、11.1Vと電圧を作り出しているのです。これをセル構造といいます。満充電では約4.2V、カットオフ電圧は約3.0Vで動作します。
詳しくはこちらの記事にまとめました。
リポバッテリーのメリット・デメリット
では、どんなメリット・デメリットがあるか紹介していきます。
メリット
小型、軽量
リポバッテリーはエネルギー密度が高いため、小さなサイズもよく見かけます。スマートフォンに採用される理由の1つです。
高出力
内部抵抗が低いため高い電流を流すことが出来ます。すなわち、モータ等の出力が上がるという意味です。
様々な形状が選べる
直方体、スティック状、薄く平べったい物、目的に応じて好きなものを選べます。
メモリー効果がない
ニッカドなどの一般的な2次電池は使い切る前に充電(継ぎ足し充電)すると、充電できる容量が減少していきます。これをメモリー効果といいます。リポバッテリーはメモリー効果がないため、(過放電時以外は)いつ充電しても悪影響を与えません。
デメリット
温度変化に弱い
リポバッテリーは温度によって電圧が変化しやすいです。冬にスマートフォンの電池の持ちが悪いのはこれが原因です。
衝撃に弱い
リポバッテリーを落としたりぶつけたりして変形させたとき、もし内部でショートが起きるとガスが発生しバッテリーは膨らみ、最悪の場合発火に至ります。
電圧管理に気をつかう
リポバッテリーは過充電すると発火、過放電すると使用不可、満充電のまま保管すると性能劣化、セル間のバランスが崩れると危ない、といったように他の電池と比べて電圧管理がシビアです。この辺は慣れてくるとなんて事ないのですが、特に気をつける項目です。
空港で持ち込めない可能性がある
容量の大きいリポバッテリーは危険物に該当するため、搭乗前の手荷物検査時に指摘を受ける可能性があります。さらにややこしいことに、持ち込めるバッテリー量の基準が航空によってまちまちです。飛行機に持ち込む際は事前に確認を取っておくのが望ましいです。
スマートフォンのような容量が少ないものは問題なしです。
おわりに
扱いが難しそうに見えるリポバッテリーですが、要点を抑えればなんてことない普通のバッテリーです。
人に言える立場ではありませんが、容量用法しっかりと守り正しく扱いましょう。
リポバッテリーについてのまとめはコチラ
コメント